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未知夢

第11章 確保

 今までは忘れた頃に、ポロっと思い出す程度だった。


 だが、繁は見た。夢の中での高円寺綾。


 出来ることなら、夢、叶わなくとも守ってあげたかった……。


 当時、ファンなら誰もが思った言葉を、繁は今再び心の底から思った。


「結婚してぇ」


 繁は生前の高円寺綾の姿を思い浮かべた。


 今一番、恋していた女性がテレビアイドル。


 それも寂しい話だが、それ以外に好きになった女性がいなかった。


「あ、一人いた」


 それは、森屋と付き合ってた由佳理……。


 眠くなってきた。


 寝ながらでも、頭がふらついてくる。



…………
――――
―――
――



『ピーーーン』



 気が付けば、何も無い暗闇に繁は立っていた。



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