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未知夢

第11章 確保

 前にも似たような空間にいたことがある。


 なんだろう? 思い出せない。


 繁はその空間に立ち止まっていた。


「またか。もういいよ……何が起こるんだよ」


 繁は一歩ずつ、ゆっくりと歩く。


 すると、遠く前方に小さく何かが見えてきた。


「えっ?」


 繁はそこに目を凝らす。


「まさか……」


 前方に見える3つの点。


「あれは……来たっ!! て、ことは、ここは……」


 未知夢!


 こんなにも早くチャンスが来るものなのか?


「いや、本当にチャンスだ。金か女か……」


 繁は、すぐにでも飛び付けるように、体勢を整える。


〔おっ!! すごいな、また見てるのか?〕


 心の声だ。


「お前も頻繁に声出してんじゃねぇよ。内面の俺の癖に」



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