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未知夢

第11章 確保

 暗闇の中、夢塊と呼ばれる裸女体と札束、そして、緑ではなく、赤く光る小さな石が飛び交う。


「狙うのは……女!!」


 繁は狙いを定める。手を伸ばしてもなかなか掴むのは困難なのは、前回見た時から充分承知だ。


 大きさ的には一番掴みやすそうだ。


「女……これっきゃねえだろが!!」


 徐々にその3つの夢塊が近付いてくる。


 繁は女体の動きを注意深く見つめる。


「最初はただ近付いてくるだけ。そこで掴まなきゃな」


 うようよと、うごめきながら近寄ってくる。


「まだだ。もうちょっと……」


 繁はギリギリまで近寄ってくるまで待った。


 手を伸ばせば、ギリギリ触れるくらいに来た時だった。


「よしっ!! いまだ!!」


 繁は踏ん張った。そして、ゆっくりと右足の膝を曲げた。


「俺の考えている事が正しければ……」


 そう言うと、恐る恐る今度は左足の膝を曲げた。


「!!」


 繁は両足の膝を曲げたまま宙に浮くように立っていた。


 そして、今度はその状態のまま両手を真横に広げた。


「足よし……両手……よしっ!!」


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