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未知夢

第11章 確保

 背泳の様に、繁の体は前進した。


 女体に弾かれた、札束と石の動きが止まり、繁はそれを見逃さなかった。


「もろた!!」


 女体を足で挟み、抱えこむように、札束と石を受け止めた。


「さぁ、何が残る!!!!」


 繁は2回目の未知夢で、3つすべてを確保した。


 意地と執念と欲がもたらした渾身の結果だった。


〔お、お前……本気と書いてマジか!?〕


「おう、心か……やり方次第では全部取れるんじゃないかと思ってな」


〔この場で俺と喋ってるって……お前、その形で本当に眠ってるのか!?〕


「あぁ、これは夢なんだろ? だったら俺は眠ってるはず……起きたらこれ全部が手に入るんだろ? 究極の正夢じゃねぇか……」


〔信じられん……だってお前……立ったまま熟睡中だろ!!〕




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