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未知夢

第12章 好機

 今回は目覚めても何も無かった。


 苦心してすべてを手に入れたはずだったが、何一つ繁のそばには無かった。


「一番最初に掴んだ女はなんだったんだ? なんだよ、面白くねぇな」


 繁は短パンのポケットに右手を入れた。すると、指先に何かが当たる。


「!!」


 何か固い物を掴んだ。それはとても表面が滑らかで、掌中に包める程度の大きさ。


「……マジか」


 額から汗がにじむ。


 それをポケットから出した。


 赤い琥珀のように光る玉子型の石だ。


「これは……」


 繁はその石を握りしめた。


『ドサッ』


 何かが落ちる音がする。


『ドサッ、ドサッ』


 繁は足元を見た。


「えっ!?」


 帯のついた一万円の札束が落ちていた。


『ドサッ……ドサッ、ドサドサッ』


 次々と札束が落ちてくる。



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