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未知夢

第12章 好機

「うわうわ!! ちょ……ちょっとまて!!」


 商店街のアーケードの下、冴えない男が一人、宙から降る札束に四苦八苦していた。


 慌てて繁は拾い上げる。


「マジで!? ちょっと……」


『ドサッ、ドサッ、ドサッ』


 繁は時計の残骸の入った袋に詰める。詰めきれないのは短パンの裾に入れる。


「あわわわわわ……」


 繁は人生初のあわわわわわを口に出した。


「ちょっと止まれ……止まれ……もういい」


『……ドサッ』


 納まった。


 まだ人通りの無い時間帯だったが、通る人はチラチラとその光景を驚きながら見ていた。


「なんでこんな出現の仕方するんだよ……場所と状況えらべよ……」


 繁のドキドキは最高潮に達していた。周囲を気にしながら札束を抱え込む。



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