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未知夢

第14章 滝繁

「ちょっと待った繁2号」


「なんだよ2号って……」


「それはすでに謝罪済みだ……」


「えっ?」


 繁の口が開いたまま止まった。


「それはすでに謝罪して慰謝料も払った。だから、お前が言った事は綾子も知っている……なっ」


 森屋が言うと綾子は頷いた。


「いや……でも、頭に来たでしょ!? 相手が兄だって知った時……」と、繁が聞くと、綾子は冷静に答える。


「確かに頭に来た……遊ばれてたと思ったし、芸能界もいられなくなったし……でも、お父さんのお葬式の時にすべてを謝ってくれたから……」


「親父の葬式の時は、いい気味だとか思ったが、綾子は先に母親も亡くしていて、孤独の身になってたんだ。だから、正直に全部話して、謝罪した上で、兄妹としてやり直そうと決めたんだ」


 森屋の形勢逆転だった。



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