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未知夢

第14章 滝繁

 繁は胸騒ぎを感じた。


「まさか……」


「どうしたんです? 今の叫び声って……」


「森屋だ! ヤバい!!」


 繁は玄関に向かって走った。


「おかしいと思った……警察の話では凶器は果物ナイフだったんだ。あんな装飾品のナイフじゃなかった」


 そう呟きながら扉を開けた。


 繁は靴のままリビングに走り、ドアを開けた。


「やめろっ!!」


 繁は声を上げた。


 左脇腹を右手で押さえて倒れる森屋に、もう一人の繁が果物ナイフを片手に馬乗りになっている。


 森屋は左手だけで防戦していた。


「やめろっ!! おい!!」


 繁は繁に飛び付いた。もう一人の繁の目は据わっている。


「うるせい! こいつは……この世にいちゃいけねぇんだよ!! 俺が始末してやるよ……」


「辞めろ!! 殺人になるぞ!!」


 ナイフを持つ手を取り、森屋から離そうとする。


 綾子は森屋の方にかけよった。



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