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未知夢

第14章 滝繁

〔さあな、そればかりはわからない〕


「もし、俺が森屋を殺害した時にも別世界の俺が来てたとしたら、なぜ止めなかったんだ? 止めれなかったのか?」


〔それは、お前が高円寺綾を救った時点で事の経過がずれたんだろう。お前が元の世界で森屋を殺した時にも、もちろんもう一人のお前は来ていたさ。だが、高円寺綾がそこにいない分、余計な出来事が省かれ、物事の進み方が短縮された形になり、もう一人のお前が現場に来た時はすでに森屋は死んでいたんだ。その時、お前は茫然と立ち尽くし、あまりのことに頭を抱えてどうするかを考えた。そして、この場からこの様にタクシーでお前を送り返したんだ〕


「だから俺は帰ってこれたんだな」


〔おそらく、別世界のお前も夢塊を3つ取っているはずだ。だが、未来を変えたのはお前だけだ。その違いわかるか?〕



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