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未知夢

第15章 隠人

 元に戻ったようだ。


『ザーー』


 気が付けば、雨の朝を迎えといた。


 公園の屋根のあるベンチに移動した繁はボォーっと、ただ雨の降る様子を眺めていた。


「これからどうしていこう……まあ、金は持ってるからしばらくは心配ないが……この世界に俺が二人ってことは住民登録とかどうなるんだ? 住民票は取れるからなんとかなるかな?」


 やたら現実的なことを気にしだす。


 繁はなんとかごまかして生きていこうと、まず部屋探しに向かうことにした。


 雨が止むのを待ち、昼過ぎ頃、拾ったビニール傘片手に不動産屋に向かう。


 駅前の不動産屋に入ろうとした時だった。


「あれ?」


 数メートル先に歩く見覚えのある女性を見付けた。


「あっ!!」


 繁は思わず声を上げた。


 白いワンピースと短パン姿で、メガネをかけた高円寺綾子だった。


 何かを急ぐ様に走っていく。


「どうしたんだろ?」


 繁は後をつけていく。


 とても声をかけられる様子ではなかった。



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