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未知夢

第17章 終焉

 交番の中には一人の警察官が、デスクに向かって何かを書いていた。


「あの、すいません」


「はい、いらっしゃいませ」


 交番でいらっしゃいませはありか?


「あのですね……先日、傷害と殺人未遂で捕まった男いましたよね」


「えっ? あ、はいはい」


「あれね、ほんまは私がやったんです。逮捕してください」


「えっ?」


 警官は一瞬、戸惑った表情を見せた。そりゃそうだ。


 いきなり、私が犯人ですと、低姿勢でくるやつなどいないからな。


 いや、ひょっとしたらいるかも知れないが、この警官にしては初めてだったのだろう。


「ちょ……ちょっと待って……とりあえず話を聞きましょう。ちょっと中に入って……」


 私は交番の中に入った。初めてのことだ。


「あの……ここはお茶は出ないんですか?」


 俺はこの空気に耐えきれず、こんなチョケた事を言ってみたが無視。本署に連絡しているようだ。



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