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未知夢

第4章 容疑

 階段を下りて行くとアパートの前には、白と黒の車が2台停まっていた。



 子供の頃、パトカーがカッコ良く見えて、1度乗りたいとは思ってはいた。


 憧れだったが「ヤッター! 夢が叶った♪」とは言えず、同じ乗るにも意味が違いすぎた。


 繁にとっては無実だ。


 しかも、不運にも隣のおばちゃん、亀代に見られてしまった。


 いつものように……。


「あれ? 滝さん、どこ行きはるの?」


「いやぁ、近所まで」と、言う会話ではまず成り立たない。


 軽蔑の眼差しが冷たく繁を襲う。


「あの、おばちゃん!! 違うってちょっとそこまで……土産買ってくるから!!」


 繁は無理矢理乗せられた。


 後、(こいつらはみんな同級生でこれからコスプレパーティー……)と、言い訳まで考えていたが、それは無駄に終わった。




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