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未知夢

第5章 訊問

「あの……刑事さん。酔っぱらって何にも覚えてないんですが、森屋は何処に住んでるんですか?」と聞いてみた。


 刑事は手元の資料を見た。


「なんだ、覚えてないのか? 森屋が住むのは京都市だな。阪急でいける。そんなに飲んでたのか?」


「京都市!! 俺、京都から酔っぱらって帰ってきたのか!? 本当に覚えてないんですよ」


 信じられなかった。


 自分がどうやって帰って来たのかが気になった。


 刑事は資料に目を通しながら聞いた。


「ナイフに指紋が残っていて、森屋の奥さんの話でお前が遊びにきてるのは間違いないんだ。覚えてることだけでも吐いてしまえ。気分がいいぞ」


「そう言われても……」


 吐くものはパトカーで全部吐いたので、気分はよかった。ただ、本当に何も覚えていない。自分がやったというのも信用し難いというのに……。




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