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未知夢

第5章 訊問

「刑事さん……なんで、指紋だけで僕が犯人だって断定できたんですか?」


「はぁ? 何を言っとるんだ? 指紋てのは一人一人微妙に違うんだよ!!」


「いや、わかんないじゃないですか!? この地球上にどれだけの人間がいます? 中には両手10本すべて同じ様に一致する人もいるでしょうが!!」


「見たことないし、そんな例も聞いたことがない! あり得るか!」


「知らないからって、それが絶対無いとは言いきれないでしょ!!」


「くだらん屁理屈を言うな!!」


「そっちが言う、屁理屈や言い訳ってのは、相手が言ったことに反論出来ないときの逃げの文句、つまり負け惜しみ。屁理屈のことを、どうこう言う屁理屈のことだ」


「何を訳のわからんことを言ってる!! お前が犯人だというもうひとつの決定的な証拠があるんだ!! それは被害者が残したダイイングメッセージだ」


「な……なんですってえぇぇぇ!!」


 繁はダイイングメッセージの意味がわからなかった。



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