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未知夢

第5章 訊問

 繁は車内で眠りについてしまっていたため、まったく話を聞いていなかった。


 そう、森屋の妻、由佳里が第一発見者だ。


「ちょっと待って下さい!! やっぱり由佳里が怪しいでしょ!!」と繁は食い下がる。


 刑事はため息を吐きながら、資料を机に叩いた。


「残念ながら、由佳里はシロだ。あの日、犯行時刻の前日、午後8時すぎから由佳里は夜勤で出掛けている。お前が森屋宅に来たのは午後7時40分だ。彼女はその時、お前の姿を見ている。由佳里さんは、看護師の仕事をしているため、週に何度か夜勤が入ることがあるそうだ。そして朝、6時に戻った時に、リビングで血だらけになった森屋隆弘さんを発見した」


「じゃあ……子供は?」


「あぁ、男の子と女の子がいるが二人共、由佳里さんの実家に泊まりに行って、その日は、いなかったんだ」


 犯行時刻、完全に繁と森屋の二人だけの空間だった。


 他に誰かが来た経歴もない。


「僕にはアリバイがある」


 繁は諦めずに言った。


「どんなアリバイだ」


「犯行時刻、僕は森屋と会っていたんだ!!」


「そこで崩れとるだろバカタレ!!」




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