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未知夢

第6章 空間

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 ふわふわとした感覚が、体を優しく包み込む。


 360度、どこを見ても真っ暗な闇の中。それはまるで、星のかけらもない、宇宙に取り残されたような空間だった。


『ピーーーーン』


 どこからか、金属音が響く。


 そこで繁は気が付いた。


「ん……?」


 そして、辺りを見渡す。


「えっ、ここはどこだ? 真っ暗だな……。俺は確か……捕まってたんだ。て、ことは牢の中……でも広くないか?」


 ずっと果てしなく続く暗闇の、ど真ん中に繁はいた。


「なんだよここ……何も見えない」


 一歩ずつ歩いていくが、いつまでたっても壁に突き当たらない。


 走っても前に進んでいる気がしなかった。


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