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未知夢

第6章 空間

 物音もしない、そんな闇の中……。




『前を見るがよい……』




 どこからともなく、女性とも男性とも思えない声がした。


「え? いま……なんか言ったか?」


 繁はその場で立ち止まり辺りを見回す。


『だから、前を見るがよい……』


「誰っ!!」


 ハッキリとその声を受け止めた繁は動きを止め、耳をすました。


『前を……見る……がよい……』


「前? 前って……今、立ってる位置のままで前方を見ろってか?」


 ジッと目を凝らして前方を見る。


 ゴマ粒程の大きさの物体が3つあるのが見えた。


 小さいものでは無い。小さく見えるのだ。すなわち、それは遠くにある。



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