テキストサイズ

未知夢

第7章 誤認

「もっとよく見てみろ」


「ガラスが割れるくらいに見てますよ!! それに、向こうから睨まれますよ」


「大丈夫、マジックミラーだから向こうからはただの鏡だ」


「なんだ」


 繁は真正面から見る。だが、いくら見ても、その人物に覚えがない。


「ん〜〜、わからないなぁ……」


「知らないか……ま、そうかもしれんな。実はお前と共通点がひとつだけある」


「え? 共通点? 血液型が一緒?」


「そんなもんいくらでもいるわい!! 信じられないことなんだが……」


 刑事は一度、言葉をつまらせた。


「実はなぁ……あいつの指紋がお前の指紋と一致するんだよ」


「あ、そうなんですか? それは偶然で……て、なんですってぇぇぇーー!?」


 繁は驚いて、もう一度顔を見た。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ