テキストサイズ

未知夢

第7章 誤認

 自分とまったく同じ指紋の持ち主、つまり、本当の真犯人。


「ほら、僕の言った通りでしょうが!! 同じ指紋の者って、いるんですよ!!」


 鼻息を荒くし、顎を突き上げて言う繁に対して、イラっときながら、刑事は先を進めた。


「指一本くらいなら似たようなものはあるかも知れんが、あいつはすべての指紋が一致するんだ……お前と同一人物の様にな……」


「あり得ないっすね……僕もあぁは言ってましたが、まさか……」


「やつは白鳥沢美智雄と言うそうだが、そんな人物に知り合いはいないか?」


「いませんよ。漢字6文字の知り合いなんてそうそういないでしょ」


「向こうも漢字2文字の知り合いはいないと言っていた。てか、よくフルネームが漢字6文字ってわかったな」


 繁は白鳥沢が、血縁関係もない、お互いにアカの他人だとは思えなかった。


「生き別れた双子?」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ