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未知夢

第7章 誤認

「そんな事実があるのか?」


「いえ、空想です。てか、白鳥沢美智雄!? 顔と名前が一致しませんが……」


「そんなの、この世にはごまんといる。あの男はお前が帰った後に入れ替わりに森屋宅に入り、口論の末に刺したそうだ。あのダイイングメッセージと見られるメモはなんだったのかはわからないがな……」


「てか、あいつのお陰で俺は誤認逮捕されたってわけか……」


「まあ、指紋が一致したからなぁ……お前が疑われても仕方がない」と、刑事は頭を下げた。


 繁は体を震わし、刑事を睨み付けた。


「あんたなぁ……普通はもっと調べてから逮捕するもんだろ!!」


「逮捕してから発覚する真実だってある。だが、そんな不可思議な一致が存在しなければ、お前が犯人と言われてもしょうがなかった。お前だって酔っぱらって何も覚えてないと言うし、うちの警察官も後から証言を持ってきたもんだから……なんだこれっ!!」


 刑事は訳がわからなくなり、頭をクシャクシャッとした。



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