
雨雲の向こう
第2章 1話
慎也「………ふぅー……」
口から出る白い煙は、曇り空で今にも降り出しそうなどんより加減によってより主張して白く見える。
最近は俺が空を見上げるときは決まって雨が降りそうなこんな天気な気がする…
考えすぎか、それとも俺が雨男なだけか…
まぁ普段は空も見上げられないほど忙しい訳で、たまたま見上げた空がコレなのかもしれないが。
青空なんて久しく見てないな。
と、柄にもなく空を見上げながらふかしていると、ーポツッ…と嫌な感触が頬に触れた。
慎也「………まじか…」
………雨男にでもジョブチェンジしようか…
急に降り出した雨に眉間にしわを寄せながらも、俺はタバコを踏んで消し、後ろの建物の中に入った。
ーーギィィィ………バタンッ…!
重い古臭い扉が閉まり、薄暗い階段を下へと降りていく。
段々と騒がしい音楽が流れ始め、自然と頬が歪んでいく。
やっぱりこんな日は全部忘れるに限るわっ
るんるんでもはや騒音レベルの音楽で溢れている部屋に入り、一番偉そうな席で座ってる中年のカッコいい叔父さんの隣に…いや、膝の上に座る。
自慢じゃないが、身長は結構小柄で体重はガリガリな感じだから、そこまで重くないはずだ。
