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お嬢様♡レッスン

第117章 慌ただしい日々

「ところで、式の参列者は他に誰を考えているんだい?」

「ええと、恵莉奈さんと姫川さんでしょう?それからウィリアムとフレデリクかしら…」

「葛城は?」

「私は特に…」

「そうかい?今居る会社の秘書室と重役の連中でも呼んであげれば?」

「それは披露宴でもよろしいかと…」

「人前なんだし、披露宴から等と言わず、式にも参列して貰えばいいじゃないか?ねぇ、綾芽?」

「ええ。そうですね。他の方々も出来るだけお式に参列して頂きましょう」

宗佑の提案に、綾芽も頷く。

それも悪くないかと葛城も思う。

秘書の連中は葛城の婚約者である綾芽に興味深々だ。

それなら彼女達に自慢の婚約者を披露し、祝福して貰うのもいいかも知れない。

そう思い葛城もそれに同意した。

「それじゃあ、式はスケジュールの都合もあるけれど、早くて12月と言う事でいいかな?」

「12月…。それじゃあ、お庭では出来ませんね」

「ん?ああ、そうなるね」

「それでは、余裕を持って3月の末頃にしましょうか?それなら、フレデリクも学校がお休みでしょうから」

「そうですね。それが良いかもしれません」

桜の咲く季節。

二人は式を挙げる事に決めた。

「式の次は新婚旅行だね。どうする船で世界一周でもするかい?」

宗佑にそう言われて葛城はハッとした。

綾芽と離れ離れになったあの日。

未だ平和だった時間に、二人を乗せた船の船長が言った言葉を葛城は思い出したからだ。

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