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お嬢様♡レッスン

第122章 【番外編】秘書のお仕事Ⅰ

「ああ…橘君…。済まないね」

橘の上司はそう言うとグラスを受け取り、それを飲み干す。

「出張からお帰りになったばかりでお疲れなのではないですか?」

「どうやらそのようだ…。済まないが車を呼んでくれるかな?」

「畏まりました。直ぐに戻りますのでここでお待ち下さい」

そう言うと橘は立ち上がり、邪魔にならない様、披露宴会場を離れてから携帯電話を取り出した。

その時だった。

「如何なされましたか?」

その声に橘が振り返るとフットマンの制服に身を包んだ、美形の男性が立っていた。

「参列者の方でございますよね?何かお困りでしょうか?」

そう言うと彼は柔らかく微笑んで首を傾げる。

橘は一瞬、言葉を忘れて彼に見惚れていた。

「お客様?」

彼が言葉を発すると、橘は吾に返り名刺を渡すと、上司の具合が悪く、車を呼ぶ為に電話を掛けるところだと伝えた。

「それでしたら、お部屋をご用意致します。お車の到着までそちらでお休みになられては如何でしょうか」

彼の言葉は願ってもない事だ。

春とは言え、陽も落ちかけている。

ずっと座っていれば身体も冷える事だろう。

「有難うございます。それではお願い出来ますでしょうか」

橘は彼の提案に甘えることにした。

「畏まりました。お車の手配もこちらで致しますので、橘様は引き続きパーティをお楽しみ下さい」

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