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お嬢様♡レッスン

第122章 【番外編】秘書のお仕事Ⅰ

「その節は主人がお世話になり有難うございました。どうぞゆっくり楽しんでいって下さいね」

笑みを浮かべて綾芽はそう言うと、他のテーブルへと行ってしまった。

何せ本日の主役の一人だ。

招待客も多いので大忙しだろう。

葛城の事もあまり引き留めてはいけないだろうと、三人は挨拶だけで葛城を解放した。

葛城が行ってしまうと、三人は額を付き合わせる。

「ねぇ、見た?葛城さんのあの蕩けそうな顔」

橘は初めて見た葛城の表情に驚きを隠せなかった。

「見たわ。ずっと花嫁さんを見ていたわね」

橘の言葉に柏原が頷いた。

「あそこまで愛されて幸せよねぇ…」

そう言って須藤が溜息を吐く。

「そう?そこまで愛する人に出会えた事の方が幸せじゃない?」

「どっちにしても幸せって事でしょ!」

「それもそうね!」

「あ!それよりもあまり上司の傍を離れているわけにもいかないわ。私、戻るわね」

そう言うと柏原は上司の許へと戻って行く。

須藤と橘もそれぞれ上司の許へと戻る為に別れた。

橘は上司の姿を探してキョロキョロしていると、ところどころに設えてある長椅子に座る副社長の姿を見つけた。

余り顔色が良くないようだ。

彼女は給仕をしている男に声を掛けると、グラスに水を注いで貰い、それを携えて上司の足元へと跪き顔を覗き込んだ。

「副社長?ご加減が悪いのですか?」

そう言って水の入ったグラスを差し出す。

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