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お嬢様♡レッスン

第122章 【番外編】秘書のお仕事Ⅰ

「ええ。ご存知でしょう?彼が東乃宮邸で働いていた事。私も彼を見習って使用人として働くのではなく、社員として働こうかと思いまして…」

「そうだったんですか。何か訳がおありなのかと思いましたが…」

「ふふ。訳はそういう訳なんです。大した理由じゃありません。それで就職祝いにマコ…黒崎に奢らせようかと思いまして」

そう言うと速水はにっこりと笑った。

「速水さんの就職祝いなのに、私が行ってお邪魔じゃないんですか?」

「おや、私の名前を?」

「あ…先程、総務部で伺いました」

「そうでしたか!覚えて頂き光栄でございます」

速水はそう言うとワザとらしく丁寧なお辞儀をして見せる。

その綺麗な動作に橘は一瞬ドキっとし、見惚れてしまった。

「どうかしましたか?」

顔を上げた速水は笑顔を浮かべて首を傾げる。

彼のそんな表情にもまた、橘の心臓は飛び跳ねた。

「いえ…何でもありません…」

「ところで先程のご質問ですが、貴女の様な女性が居て下さった方が華があって私は嬉しいです」

「そ…そうですか…」

「と言う事で、参りましょう?」

そう言うと速水はスッと橘の腰に手を回し、彼女を促し歩き始める。

橘はすっかり速水のペースに載せられるまま、彼に付いて行く事になってしまったのだった。

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