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お嬢様♡レッスン

第122章 【番外編】秘書のお仕事Ⅰ

速水に案内されて来たのは、会社からタクシーで10分程離れた、南仏料理のお店だった。

こじんまりとした清潔感のあるお店で女性が好きそうな内装だ。

速水が扉を開けてくれ、中に入ると彼は店員に予約をしていた事を告げ、席へと案内される。

既に黒崎は来ており、橘の顔を見ると一瞬、彼の顔に動揺が走った。

(あ…やっぱり迷惑だったかな…)

黒崎の表情を見落とさなかった橘はそう思う。

橘が一瞬、足を止めた事に気付いた速水は、橘に耳打ちした。

「ごめんなさい。気まずかった?」

「え?」

「橘さん…マコの事、好きなんでしょ?」

「ええっ!!どうしてそれを?」

「君の事、ずっと見ていたから…」

「え…」

「俺、途中で少し抜けるから。自分の気持ちにケリをつけなよ?」

突然、砕けた速水の言葉に橘は驚いて彼の顔を見上げる。

「君は十分魅力的だよ。俺が一目で心を奪われるくらいにね?だから気持ちにケリをつけたら…」

真剣な眼差しで速水はそう言ったあとにこりと笑って『俺の事を考えて見て?』と言ったのだった。

「おい!リュウ!橘さんを立たせたまま、何コソコソ話してるんだ?」

「ああ。悪い悪い」

痺れを切らした黒崎が速水に声を掛けると、速水は笑いながら彼の座るテーブルに近付き、彼の前の席に座る。

「橘さんも早く座って?」

そう言って速水は彼女を手招きした。

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