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お嬢様♡レッスン

第123章 【番外編】執事の受難


フレデリクは、ぐったりとして席に腰を下ろすと、『シラカワ……。僕は早く帰りたい』と訴えた。

大体、本物のメイドを毎日飽きる程見ていると言うのに、何が面白いと言うのだろうか。ダグラスの思考が理解出来ない。

それに、あの品のない短い丈のエプロン・ドレスは何なのだろうか。男に媚を売る様な態度もフレデリクの癪に触った。

(おまけに、このファンシーな絵が描いてあるオムライスは何なのだ?子供用なのか?)

しかも、何だか訳の分からない呪文を唱えている。ダグラスは嬉しそうに一緒に唱えているが、フレデリクはそれを憮然とした表情で見ていた。

不機嫌そうなフレデリクを見て、白河は苦笑するしかなかった。彼の気持ちは理解出来る。白河にも全く興味のない世界だったからだ。

これはさっさと食事を終えて、史跡観光に切り替えるべきだと白河は思った。

それでも、二人を連れて来たこのカフェは、アイドル・グループの劇場の御膝元と言うだけあって、女の子達の見た目のそこそこ可愛い子が揃っている。

白河は、ダグラスに楽しんで貰う為に、今日は2時間程、貸し切りにした。故に、彼等の周りにはメイド達がずらっと並んでいる。

メイド・カフェには店舗にもよるが、基本滞在時間やチャージ料が掛かるし、メイドと写真を撮るのにも料金が追加されたりもする。

気に入った女の子の為に足しげく通う常連客も多いのだと、聞くと価格が安いキャバクラみたいだと白河は思った。

一度だけ、大学の友人に誘われて行った事があるだけだったが、システム的には同じ様に彼には感じた。

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