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しかし、働いている彼女達は楽しそうであるし、訪れる客も楽しんでいるのだから、こう言う世界も認めざるを得ない。例え理解が出来なくても。

フレデリクや白河の心の内を知らないダグラスは、初めての本場のメイド・カフェに興奮し、それを満喫した。

彼女達に呪文を唱えて貰ったオムライスは、普段口にする物よりも美味しく感じられたのは、まさに彼女達の魔法に違いないと思う。

そして、これは是非とも、自分の邸のメイド達にも覚えさせるべきだとさえ考えていた。

彼女達の笑顔にダグラスは癒され、大満足だ。邸のメイド達はこんな風に常にニコニコしていない。

だからと言って、嫌々仕事をしている訳ではないのは知っているけれど、皆もこんな風に笑顔で自分に接してくれればいいのにとダグラスは思った。

２時間と言う時間は、フレデリクと白河にはとても長い時間に感じられたが、ダグラスにとってはあっと言う間だった。彼は大満足の時間を過ごして、店を後にした。

これで帰れるのかとホッとしたフレデリクであったが、そうは問屋が卸さない。ダグラスはまた、何かを見つけて走り去ったのだ。

「Yahooooooo!!」

それを白河が追い掛ける。フレデリクはダグラスと出掛けたのを後悔していた。何故、彼はあんなに自由奔放なのだろうか。

英国の紳士として恥ずかしくはないのだろうかと疑問に思う。しかし、そこでハッとした。

彼が自由で居られるのは、英国を離れた今のこの時だけ。本国では、彼は次の伯爵である為、スマートな振舞いを求められる。