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お嬢様♡レッスン

第20章 Lesson 8♥おもてなしの心を学びましょう

「茶の道を一言で言い表すと『和敬清寂』つまり…」

「和の心をもって互いを敬い、茶器や茶室等の目に見えるものだけでなく心も清い状態で、何事にも動じず静かなる気持ちでお茶を愉しむって事ですよね?」

「え?ええ、まぁ大体合ってますけど…」

「『お・も・て・な・し』の心ですよね?」

「ええ…。お嬢様は茶道の経験は?」

「ないです。ネットで調べて自分なりに解釈しました」

「そ、そうですか…。お嬢様は大変勉強家でいらっしゃいますね」

「私、1日でも早く、ちゃんとしたいんです。私がちゃんとしていないと、お爺様だけでなく、執事の皆さんも恥をかいちゃうじゃないですか!」

「その心掛けはご立派です。ですが、詰め込み過ぎて余り無理はなさらないで下さいね」

「はい!有難うございます」

「それではお作法の方をご説明致します」

「はい。宜しくお願い致します」

綾芽の本日の授業は白河の茶道だった。

色々と前向きに勉強しようと心に決めた綾芽は、自分なりに調べて授業に臨むようにした。

(このお嬢様、自分の為ではなく他人の俺達に恥をかかせまいとしているってぇのか?)

その事に白河は驚いた。

彼は高校時、全寮制の執事の学校に通っていた。

そこでは隣接しているお嬢様学校に通う生徒に執事として付く実習があった訳だが、白河が付いたお嬢様は我侭とは言わないが、『執事は自分の下僕だから、何を言ってもなにをしても主人の勝手でしょ!』的な態度がありありだった。

正直な所『執事にはなりたくない』と思った程だ。

彼が執事になる事は、両親たっての希望であった為、渋々ながらではあるが3年間を頑張って優秀な成績で卒業した。

3年間の内に実習で仕えたお嬢様方から、色々お誘いは受けたが、彼女達に尽くす気は微塵も起こらなかった為、東乃宮に戻って来たのである。

今回、駆け落ちしたお嬢様の娘である、綾芽を迎え入れるにあたって、執事学校を卒業している白河には、一番に話が来たのだが、正直最初は乗り気ではなかった。

彼が引き受けたのは、条件が良かったからである。

その条件とは、

① お嬢様に性技を教える事
② お嬢様の教育期間が完了した際、希望しない者はその後は執事として働かなくても良い
③ ①に関しては特別手当を支給する

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