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お嬢様♡レッスン

第124章 【番外編】男達のバレンタイン事情


「出せ! 今すぐお嬢様から頂いたチョコレートを俺達にも分け与えなさい!!」

三人はバンバンと炬燵の天板を両手で叩きながら、理不尽な要求を二人に突き付けた。

こうして賑やかな彼等の夜は更けていく。

「はぁ……。俺達、バレンタインの夜に男同士で集って何やってんだろな」

ふと我に返った黒崎が、そう呟いた。
決してモテない訳ではない。莉玖も大学では何人もの女の子達から渡されたのだが、受け取らなかっただけだ。

柳瀬もそれは同じで、何人かのメイド達から、本命のチョコレートを渡されたのだが、彼も受け取らなかった。

そう言った意味では、柳瀬も杜若もまだ前に進めていないのかも知れない。

「ところで、結局、今年一番の人気者って誰だったんだろうなぁ……?」

「さぁ、高月さんなんじゃない?」

「やっぱそうだよなぁ」

「まあ、結局、高月さんもお嬢様から貰えてなかったみたいだけどな」

業務の報告に高月の部屋を訪れた際に彼が零した一言。

『私が欲しかったのは、唯一人だけから頂ける、たった一つのチョコレートなんですけどね……』

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