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お嬢様♡レッスン

第25章 執事の想いⅠ(高月)

金持ちは皆そうだと思っていたが、東乃宮宗佑は違っていた。

血筋の良さと言うものなのだろうか。

綾芽様も庶民の中で暮らしておられたが、人の良さ、懐の深さは持って生まれたものの様に感じた。

自分の矮小さを思い知らされた。

心の中で凝り固まっていた物が、彼女と出逢って溶けて行くのを感じた。

心が軽くなった。

彼女と過ごす時間は自分にとって掛替えの無いものになった。

どうしたら彼女の心を手に入れる事が出来るのだろうか?

そればかりを考えてしまう。

そして子供みたいな行動に出てしまう。

幾ら彼女の心が広いとは言え、このままでは良くないのは分かっている。

少し距離を置いた方が良いのであろうか。

あの方を傷つけないように。

でもそれが出来ない。

彼女の顔を見たら、触れたくて堪らなくなる。

手を伸ばさずには居られない。

そして悪戯をして、こうして彼女に呼び出されるのを期待する自分がいる。

彼女に会う理由が出来る。

さて、彼女の第一声は何であろうか。

彼女の部屋の扉迄来た私は、ワクワクして扉をノックする。

彼女との一時を楽しむ為に。

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