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お嬢様♡レッスン

第34章 お嬢様の異変

夜───。

高月の仕事が終わる頃を見計らって、綾芽は彼の部屋を訪ねた。

ノックをして待つ事、数秒。

高月が扉を開けると、そこに綾芽が立っていた。

ネグリジェにシルクのガウンを羽織っただけの出で立ちで、落ち着かない様子で。

綾芽が部屋に訪ねて来たのはこれが初めてだった。

それもその筈で、綾芽は毎晩違う執事達と夜を過ごしている訳だし、自分から求める様な事もしない。

しかし、彼女は訪ねて来た。

これは自分が求められているのだと、高月は嬉しさて胸がいっぱいになった。

「どうしましたか?私が欲しくて眠れないのですか?」

綾芽を部屋の中に招き入れながら、高月は妖しく微笑んでそう言った。

綾芽はその言葉に対し、首を横に振る。

「欲しいと言うよりも、確かめたいの…」

「何をです?」

「多分、白河さんと柳瀬さんから報告があったと思うんだけど…。私…濡れなくなっちゃったみたいで…」

「それで、私に抱かれたら濡れるのかを確かめたい、とそう仰っているのですね?」

高月の問いに綾芽は無言で頷いた。

「そう言う事でしたら…」

高月は綾芽をベッドに促し、口付ける。

最初は啄む様に軽く。

そして段々と貪る様に深く。

「ふっ…ん」

高月の口付けに翻弄され、綾芽の顔の表情が蕩け出す。

不感症になった訳ではなさそうだ。

高月はそう思った。

高月は綾芽を溶かす様に手を動かし、刺激した。

綾芽の淫らな表情に、そろそろ良いかと彼女の脚の付根にそっと触れる。

(おや?)

いつもなら、もうそこはトロトロに溶けて下着を濡らしている筈なのに。

その感触を指に感じられない。

「綾芽様、すみません。どうやら私でも駄目な様です…」

「えっ?」

「恐らく、一時的な物だとは思いますが…。ご安心下さい。濡れなければローション等を使えば宜しいのです」

「でも、それじゃあ…」

「今のお身体では、男性を喜ばす事は出来ませんね…。何か原因がある筈です。焦らずに対処しましょう」

「ごめんなさい…」

綾芽は白河と柳瀬に対し濡れなかったのは、高月と恋仲になったせいだと思っていた。

“彼”以外の男性に抱かれるのは、身体が拒絶反応を起こしているのだと。

しかし、高月でも駄目だと言う事は、それが原因ではないのだろう。

では、どうすれば?

綾芽は途方に暮れたのだった。

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