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お嬢様♡レッスン

第35章 お嬢様の悩みⅡ

綾芽はある物を前に悩んでいた。

“ある物”とは何か。

それは高月にプレゼントされた物なのだが、彼女にとっては微妙に有難くない物だった。

『暫く“男女の営み”のレッスンはお休み致しますが、その間、これをご使用になってトレーニングをなさって下さい!』

そう言って渡されたのは、大人の玩具だった。

(こんな物を使えと!?)

正直言って余り気が進まない。

今迄、自分で自分を慰める必要が無かった為か、抵抗があるのだ。

高月に使われる分には構わないのだが、自分が自分の為に使用するのには、躊躇してしまう。

かと言って、このままでも良くはない。

子孫繁栄の為には、パートナーとより良い関係を築く必要があり、それには相手を喜ばせる身体でなくてはならない。

このまま濡れない身体のままだった場合、自分は高月に愛想を尽かされるのだろうか。

些か不安ではある。

(何でこうなっちゃったのかなぁ…)

綾芽は玩具を前に、大きな溜息を吐いた。

(取り敢えず、使ってみるしかないよね…)

綾芽は高月からのプレゼントの中で、最も小さい玩具を手に取った。

以前、高月とトラブった際に使われた振動する物だ。

綾芽はそれを自分の胸の先端に宛てがうと、スイッチをいれてみた。

“ビクンっ”

強過ぎる刺激に綾芽の身体が大きく跳ね、玩具を思わず手放してしまう。

(うわぁ~…吃驚した…)

綾芽は気を取り直し、もう一度玩具を手に取り、今度は最弱のボリュームから始める事にした。

“ヴヴヴヴヴ…”

振動音が静かな部屋の中でやけに大きく感じる。

綾芽は、ゆっくりとソレを胸の先端の周りの輪に沿って滑らせる。

徐々にソレを中心へと動かしてみる。

刺激を受けて胸の先端は硬く尖り始めた。

(う~ん…まぁまぁ、気持ち良いんだけど…)

綾芽の性的欲求は、パートナーが居て始めて高まるのであって、対象者がいないとイマイチ気持ちの盛り上がりに欠ける。

ならば、誰かに愛されている事を想像してみようかと、思い真っ先に思い浮かんだのは葛城の事だった。

彼への想いは葬った筈なのに。

自分には高月がいるのに。

でも、心の中だけなら。

(彼に抱かれる、甘い夢を見てもいいよね?)

高月には申し訳ないと思いながらも、綾芽は葛城に抱かれた時の事を思い出していた。

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