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お嬢様♡レッスン

第43章 パーティーの途中で…

葛城はその手を取り、綾芽を立ち上がらせる。

しかし、彼女の脚は恐怖の為か、震えて上手く立ち上がれない。

葛城は、綾芽をお姫様抱っこするとバスルームへと彼女を連れて入った。

シャワーを捻り、湯の温度を確認すると、綾芽の無残にも破かれてしまったドレスを脱がせ、その中へと立たせる。

「着替えを持って来させるよう手配致します。また、この事を報告せねばなりませんので、少しお待ち頂いても宜しいでしょうか?」

「は…い」

「すみません。このままお傍に居て貴女をずっと抱きしめていたいのですが…」

「大丈夫。早く行って来て?そして早く私のところに戻って来て下さい」

「畏まりました」

葛城は敬礼をすると、急いで報告に走った。

綾芽を傷付ける者は許せない。

いや、許さない。

あの愚かな男を後悔させてやる。

葛城の腸は煮えくり返っていた。

メイドに代えのドレスを控えの間へ準備するように命じ、広間へと戻り主を探す。

葛城は宗佑に耳打ちで報告すると、宗佑は『分かった』と言う様に頷いた。

葛城は、再び広間を後にすると綾芽の元へと急いだ。

自分が部屋を後にした後、彼女はきっと泣いているに違いない。

早く消毒して差し上げねば。

そう思いながら。

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