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「本日は有難うございました」

「こちらこそ楽しいひと時を有難う。また、お会い出来る日を楽しみにしておりますよ」

最後のゲストを送り出す。

遠方から来ている一族の者や、海外から駆け付けたゲストは、今宵は本館に滞在する為、まだ広間に何人か残ってはいるが、それ以外の招待客は全て帰って行った。

「綾芽、ご苦労だったね」

ポンと肩を叩かれ振り向くと、祖父・宗佑だった。

「お爺様！」

「まぁ、色々とあったけど、無事終わって何よりだよ。皆さん、綾芽の事を褒めていたよ？僕も鼻が高いよ」

宗佑はそう言うとにっこりと笑った。

「そんな…。まだまだです。もっと勉強しないと…」

「まぁ、追々ね？残っている皆はラウンジで適当に飲むらしいけど、綾芽は疲れただろうから、今日はもう休みなさい」

「でも…」

自分の為に駆けつけてくれたゲストを放って自分だけ休むのは気が引ける。

「大丈夫だよ！綾芽が居たら、彼等がキミの噂話が出来ないだろう？」

「えっ!?」

「ふふっ、冗談さ。いいから、今日のところは休みなさい。明日の朝食がまだあるんだから…」

「はい。それじゃあ、お言葉に甘えて休ませて頂きますね」

綾芽は祖父の好意に甘える事にして休む事にした。