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お嬢様♡レッスン

第45章 宴の後

朝、目を覚ますと高月の姿は無かった。

一言、『申し訳御座いませんでした』とメモ書きを残して。

角度のある右上がりの高月が書いた文字。

綾芽は、そのメモを握りしめて泣いた。

やはり、傷付けてしまった。

高月は、自分にとって大事な人である事には変わりはない。

この邸に来てから、いつも傍に居てくれた人。

自分に活力を取り戻させてくれた人。

時々、自分を困らせるけれど。

それは彼の愛情表現であり、自分の心を確かめる手段でもあった。

プライドが高い人なのに。

自分の為に、何度涙を流したのだろう。

どうして自分は一人なのだろう。

綾芽は、今日の担当の執事である速水が来るまで、そんな事を考えながら泣き続けた。


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