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お嬢様♡レッスン

第50章 主と家令

「彼には、本当に申し訳ない事をしたと思っております。ですが、私は綾芽様を諦める事は出来ませんし、手放す気も御座いません」

「ふぅん?綾芽が他の男を好きになったら?」

「それは…。綾芽様がお選びになり、その方が幸せなのでしたら、私は喜んで身を引きます。唯、少しでも望みがあるのでしたら、諦める気は御座いません」

「高月も同じ気持ちなんだろうね。綾芽は高月の事は嫌いではない。寧ろ信頼もしているし、好ましいと思っている。だから好意的な態度を取ってしまう。そしてそれは高月に希望を持たせてしまう」

残酷な事だと宗佑は思う。

しかし、綾芽を責める事は出来ない。

そうなってしまったのには、自分にも責がある。

高月の様に、経験も豊富で合理的に物を考える男が、まだ20歳そこそこの娘に本気になるとは予想していなかった。

高月には、違った目的があった筈だったから。

宗佑は高月の当初の目的は、何となくではあるが、気付いていた。

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