テキストサイズ

お嬢様♡レッスン

第50章 主と家令

野心に燃える目。

人を踏み台にしても何とも思わない。

そんな雰囲気を感じ取っていた。

東乃宮をどのように利用するつもりなのか。

退屈凌ぎに彼を雇う事にしたのは、他でもない宗佑自身だ。

綾芽を利用して、東乃宮に取り入ろうとしているのであれば、それなりに扱う事が出来るのだが、本気で孫を想ってくれている男にそんな事は出来ない。

綾芽が高月に心を開いた時点で、宗佑にとっても高月は信頼の置ける、東乃宮の執事なのである。

「悩ましいねぇ…」

「はい…」

「後で高月に部屋に来るように言っておいてくれるかな?」

「畏まりました」

「頼んだよ」

宗佑はそう言うと、紅茶を飲み干し部屋へと戻って行く。

葛城は、片付けをしながら、綾芽が何処で何をしているのか。

そればかりを考えてしまっていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ