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お嬢様♡レッスン

第57章 執事の思惑Ⅲ(柳瀬)

そこで僕は考えた。

旦那様にお願いして、お嬢様をモニターとして利用させて貰う事を。

仕事であれば、お嬢様も嫌とは言えない筈だ。

何せ、あの方は真面目だから。

本当にいい子ちゃんで、時々、滅茶苦茶にしてみたくなる。

でも、今回の事でやり過ぎるのは良い結果を生まない事が分かった。

彼女は彼女なりに、お嬢様として成長しているんだと思う。

以前よりもおどおどする事はなくなったし、所作も随分と美しくなった。

自信を持って、嫌な事は嫌だと言う様にもなった。

そして何より、東乃宮のトップに立つ事がどの様な事であるのか、グループの繁栄の為にしなければいけない事、してはいけない事の線引きを理解されてきた様に思う。

だから、ビジネスの為に僕の提案を聞き入れる事になるだろう。

そうなればこちらの物だ。

マッサージで身体の凝りを解す様に、彼女の心の凝りを少しずつ解す。

そして何れは身体を再び開かせてみせる。

僕が欲しいのは、彼女の心ではなくて、身体。

甘い蜜を滴らせて、美しく乱れる彼女の器が欲しいだけ。

帰ったら、早速、旦那様にお願いしてみよう。

僕は荷物を纏めながら、これからの段取りを考えるのだった。


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