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お嬢様♡レッスン

第61章 Lesson 14♥攻めてみましょう

「最後の最後で、想いが叶って良かった…。意地を張って、何もせずに執事を辞めていたら後悔するところでした」

「私の方こそ有難う。ずっと私を気遣ってくれて…。こんな事しか出来なくてごめんなさい」

「見返りを求めていた訳じゃないから…。お嬢様が笑って居てくれる事。それが何よりです」

「黒崎さん…。もう!貴方って本当にいい人ね!」

「あはは。いつもそれで終わっちゃうんですけどね!」

明るくそう言い放つ黒崎に、綾芽の心はキュンと切なく疼いた。

彼女は立ち上がると、そっと彼の頭を胸に抱く。

「お嬢様?」

「普通に大学とかで知り合っていたら、私は間違いなく黒崎さんに恋してたと思うよ?」

(でも、出会ってしまったんだ。綾芽ちゃんの運命を変えてしまったあの人に…)

「そのお言葉だけで十分です。執事は辞めますが、お嬢様が継がれた際には、秘書としてまたお仕え出来るように、これから頑張ります」

「有難う…」

綾芽は、感謝の気持ちを込めて、黒崎の頬に口付けを落とす。

そう言えば、黒崎とは口付けした事があっただろうか。


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