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お嬢様♡レッスン

第63章 Lesson 15♥優しく起こしてあげましょう

「気持ち良く起きられた?」

黒崎の胸の上でまどろみながら、綾芽が尋ねる。

「今まで生きて来た中で、最高の目覚めだったよ」

「そんな大袈裟だよ」

「そんな事ないよ!いつも目覚ましに叩き起こされるばっかりだしさ?」

「でも、お兄ちゃんだって彼女、居たんでしょう?」

「あいつ等と比べたら、全然少ないけどね。それに真面目な子とばかり付き合ってたから…。こんなエッチな起こし方してくれる子なんて居なかったよ!」

黒崎に爽やかな笑顔でそう言われると、自分がとても淫らに思えて恥ずかしくなり、綾芽は顔を赤く染めた。

「今頃恥ずかしくなっちゃった?」

黒崎が綾芽の顔を覗き込む。

「いや!見ないで!」

綾芽は恥ずかしさの余りに顔を背けた。

「可愛いなぁ、綾芽ちゃんは!」

黒崎は彼女をギュッと抱きしめる。

幸せな朝だった。

この幸せが永遠に続けばいいのに。

黒崎はそう思わずには居られなかった。

しかし、それは叶わない願い。

間もなく訪れる、綾芽との別離。

永遠のものではないとしても、それは黒崎の心を切なく締め付ける。

(有難うございました。お嬢様)

黒崎は万感の想いを込めて、綾芽のこめかみに口付けた。


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