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お嬢様♡レッスン

第64章 オフの執事達Ⅳ

「お疲れっす!」

長旅から帰って来た三人を労い、莉玖が音頭を取って乾杯する。

「お疲れ…」

速水と白河の声には覇気がなかった。

柳瀬に於いては無言である。

「どうしたんすか?」

事情を知らない莉玖は目を丸くした。

「俺達…、お嬢様の執事から降ろされる事になったんだ」

「えっ!?何でですか!?」

「これには深い理由があんのよ…」

ジャガイモが原料のスナックをポリポリと齧りながら、速水が零した。

「本当にゴメンな…。お前等を巻き込んじまって…」

「リュウ兄、それは言うなよ。俺さ、葛城さんの下で一から執事の修行する事になったんだ」

「そっか…。良かったな、巽。親父さん達もホッとしてるだろう?」

「ああ…、まぁね。でも、親父達の為に執事になりたいんじゃないから」

「広夢は?どうすんの?」

「僕は、庭師の仕事をしながら、旦那様に気に入って頂いている、石鹸やマッサージオイルの開発を進めます」

「そっか。いいな、夢があって…」

「リュウ兄はどうすんの?」

「俺は…」

未だ、何も決めていなかった。

綾芽のレッスンが終われば、執事にそのまま上げて貰えると思っていたから。

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