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お嬢様♡レッスン

第65章 幸せな時間(とき)

寝ているところを綾芽に襲撃され応戦した黒崎は、一戦交えた後、彼女とベッドの上で寛いでいた。

彼女の髪を指先に絡めて弄んでみたり、柔らかい肌を撫でてみたりと、恋人同士の様な幸せなひと時を過ごす。

すると突然、『あっ!』と何かを思い出した様に、綾芽が小さく声を上げ、身を起こした。

「どうしたの?」

「朝御飯!作ってたの、忘れてた!!」

「えっ!?」

「出来立てを食べて貰いたくて、それで起こしに来たのに…。どうしよう…冷めちゃったかな…」

「大丈夫だよ。温め直せばいいんだから」

「でも…」

「俺も手伝うよ。温め直して一緒に食べよう?」

「うん」

綾芽は脱ぎ散らかした服を身に着け、黒崎は服を着替えると、階下のリビングへと降りた。

二人は朝食を温め直し、食事を済ませる。

綾芽が食器を洗い、黒崎がそれを拭いて棚に片付ける。

まるで、新婚の夫婦の様だ。

黒崎は25年間生きて来た中で、最高に幸せなひと時だと思った。

(今日の事は、絶対に一生忘れない!)

黒崎は心の中で、そう誓った。



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