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お嬢様♡レッスン

第68章 葛城のイチャラブ計画Ⅰ

あざといだろうか。

いい年をした男がと呆れられるだろうか。

しかし、どこまで綾芽が自分の要求を呑んでくれるかが知りたい。

そんな欲求に駆られての葛城の行動だった。

暫しの沈黙。

その間、葛城は不安な面持ちで綾芽の様子を伺う。

「ふふっ。いいですよ?」

綾芽はにっこりと笑顔を見せると、自分のスプーンを取り上げ、シチューを掬い葛城に差し出した。

「はい。あ~ん」

ニコニコしながら、綾芽がそう言うと葛城の心に幸福感が広がる。

「あ~ん…」

葛城が口を開けると、綾芽のスプーンが運び込まれる。

自分で食べるよりも何十倍も美味しいと感じた。

子供の頃に両親と死に別れてから、温かい家庭の雰囲気等、知らずに生きて来た。

宗佑には『遠慮はするな』と言われてはいたが、偉大な人過ぎて甘える事等、出来なかった。

身体の関係を結んだ女性に心を開く事はなかった。

彼の心には、いつもどこか穴が開いていた。

それを埋めて尚、満たしてくれる。

綾芽は彼の中でそんな存在になっていた。

胸に手を当て、幸せな気持ちを噛み締めながら、葛城はしみじみと素直な気持ちを口にする。


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