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お嬢様♡レッスン

第71章 葛城の授業

綾芽は葛城に指摘を受けるまで、サービスを提供する事だけを考えて、利益等はあまり考えていなかった事に気が付いた。

(そう言えば、お兄ちゃんもそんな感じの事を言ってたな…。あの時はアイディアを出すのに夢中で、ちゃんと聞いてなかった…)

「………」

「どうかしましたか?」

押し黙ってしまった綾芽の顔を葛城は心配そうに覗き込む。

「綾芽様?」

「は、はい?」

「お疲れになったでしょう?少し休憩しませんか?」

葛城が優しく微笑んで、綾芽にそう言うと、彼女はそれに同意した。

キッチンへ向かう葛城の背中を尊敬の眼差しで見つめる綾芽。

家庭教師として全てを請け負ってくれただけの事はある。

経営に関する知識も。

書物に関する知識も。

食に関する知識も。

芸術に関する知識も。

そして様々な雑学も。

多種多様な事柄に造詣が深い葛城。

おまけにイケ面で。

そんな完璧な人が自分を愛してくれている。

(私も葛城さんに相応しい女性にならなきゃ!)

そう決意する綾芽。

東乃宮家のお嬢様としての道はまだまだ険しい。

それでも、葛城と一緒ならば。

彼が傍に居てくれれば頑張れる。

綾芽はそう思ったのだった。



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