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「更に言えば、ここまで来て頂くのに定期便等を運行すれば、その輸送コストが掛かります。これは分かりますね？」

「はい。つまり開業した後、採算が取れるかどうかですよね？」

「そう言う事です。キャンプ場でしたら、陸続きで気軽に行けるところは幾らでもあるでしょう？どうしてもこの島でなくてはならないサービスが必要です」

「成程…」

綾芽は葛城の言葉を真剣に聞きながら、頷いた。

「また、キャンプですとオンシーズンは夏に限られてきます。春や秋にもお客様はいらして下さるかもしれませんが、夏程ではない筈です。ですが、輸送コストは同様に掛かります。それにスタッフも、お客様がお見えになるのでしたら、待機していなければなりません」

「ランニングコストと人件費をベースに考えた方が良いと言う事ですね？」

「それだけではありませんが、外せない費用をベースに金額設定をし、どのくらいの稼働率であれば採算が取れ、利益を生み出せるのかを考えなければなりません」

「………分かりました」

眉間に皺を寄せて島の測量図を眺めながら、綾芽は考え込んだ。

（どうすれば、利用して下さる方に楽しんで貰えて、会社にも利益を齎す事が出来るのかな…）