テキストサイズ

お嬢様♡レッスン

第72章 そして、再びのイチャラブ

葛城が淹れてくれたお茶を飲みながら二人はソファに並んで座り、寛いでいる。

「これで調査はほぼ終わりですね」

「はい。あとは葛城さんにご指摘をして頂いたコスト面について考えて、もう一度プランを練りなおしてみます」

「ふふっ」

「何ですか?」

「少し前までは、何もご存知なかった綾芽様が、すっかり成長されたなと思いまして…」

「それは、私に色々と教えて下さった皆さんのお陰です」

自分一人では分からない事やくじけそうな事も、執事達が丁寧に教え、そして励ましてくれたからこそ、今の自分がある。

綾芽はそう思っていた。

それなのに、自分は彼等の事を…。

「何を考えておいでですか?」

「いえ、皆さんに悪い事をしちゃったなぁ…って」

「それは仕方がない事です。それとも家庭教師は私ではない方が宜しいですか?」

「そんな訳ないじゃないですか!もう!意地悪な事を言わないで下さいっ!!」

綾芽が頬をぷくっと膨らませて、そっぽを向く。

「すみません。でも、分かって下さい」

そう言いながら、葛城は綾芽の手を取り、掌で包む。

小さくて華奢な手。

滑らかな手の甲を筋に沿って親指で撫でる。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ