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お嬢様♡レッスン

第76章 お嬢様の安否

葛城が目を開けると、視界にぼんやり映ったのは、真っ白な天井だった。

そしてツンとした消毒薬の匂いで、頭が覚醒してくる。

「気が付いたか…?」

そう言って顔を覗き込んだのは、見覚えある顔。

「白河、葛城さんが気が付かれた。旦那様に報告と先生を」

「畏まりました」

葛城は身を起こそうとするが、力が思う様に入らない。

「まだ、安静にしていた方が良いですよ?」

そう言いながら、彼は乱れた布団を掛け直す。

「高月っ…お嬢様は!?」

葛城の問い掛けに、高月の表情は豹変し怒りの色を滲ませた。

「アンタが付いていながら、どう言う事だ!?アンタがお嬢様を守ると言ったから俺は身を引いたのにっ!」

高月の言葉に、葛城は絶望した。

(まさか…!そんな…!!)

「お嬢様は見つかっていない。生存確認は出来ていない…」

高月は苦し気にそう言った。

「私はどのくらい…?」

「船が転覆したのが、五日前。アンタが発見されたのは、その翌日だ。何でアンタだけ…」

高月が憎々し気に葛城を睨む。

彼の心情からしたら、それは当然の事だ。

葛城自身でさえも、自分が憎い。


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