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お嬢様♡レッスン

第76章 お嬢様の安否

「船長達は…?」

「亡くなったよ」

高月のその言葉に胸がズキンと傷む。

人懐っこい船長や、船員達の顔が浮かんでは消える。

葛城の目から滴が零れ落ちた。

(何故、自分だけここに居る?)

ここに居るべきなのは自分ではない。

綾芽の方なのに。

葛城は苦痛に顔を歪める。

高月は押し黙ったままだ。

すると沈黙を壊るガラガラと扉が開く音がして、医師と看護師、そして宗佑と白河が入って来る。

高月は、医師の診察の為に一歩下がると、再び葛城を睨む。

医師が診察を終えると白河に目で合図をし、彼を伴って病室を去って行った。

「気分はどうだ?」

宗佑が顔を覗き込む。

「旦那様っ!申し訳御座いませんっ!!私が付いていながら綾芽様をッ!!」

そう言いながら葛城は、必死に起き上がろうともがく。

「そのままで」

宗佑は手で葛城を制する。

「まだ、死んだ訳ではない。私は綾芽が見つかると信じている」

宗佑は静かにそう言った。



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