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お嬢様♡レッスン

第76章 お嬢様の安否

「だから、お前は死ぬ等とは考えるなよ?お前にはやって貰わなければならない事があるからな」

それだけを言うと、宗佑は高月を伴って病室を後にした。

それと入れ違いに白河が戻って来る。

「ご気分は如何ですか?」

白河は葛城の顔を覗き込むと、そう尋ねて来る。

「最悪の気分だ…」

葛城はそう零した。

葛城が起き上がれないのは、怪我をしているからばかりではない。

身体を拘束されているのだ。

「すみません。不自由かとは思いますが、貴方を自由にすると、恐らく自らの命を絶つ恐れがありますので、旦那様からの言いつけで、拘束させて頂きました」

「………すまない。私は…皆の大事なお嬢様を…」

「私もお嬢様が生きていらっしゃると信じております」

「白河…」

「貴方のしなければいけない事は、早く元気になって、お嬢様を探し出す事です!」

「分かった…」

「まだ、暫くは安静にしていなければなりませんが、それはお邸でも出来る事ですので、退院して良いとの事です。ですので私は退院の手続きをして参ります」

そう言うと白河はお辞儀をして、病室を出て行った。

(そうだ。綾芽様は生きている。絶対に見つけ出す!!)

そうしなければ、宗佑に顔向け出来ない。


皆から綾芽を奪っておいて。

一人でのうのうと生きている等、許される訳がない。


退院の手続きを済ませた白河の手を借りて、車椅子に載ると葛城は病院を後にする。

使用人達にどんな顔をして会えば良いのか。

葛城の苦痛の日々が始まっていた。


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